プロジェクトストーリー

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PROJECT STORY  DECT方式コードレス電話D-3280開発 ミッションは2011年アメリカ市場での売上げ増大・シェア拡大。 技術本部課長 木下 寛幸 1994年入社

要求された機能を満たしながら、時間との勝負にも勝たなければなりません

市場は、先走りはしない。 しかし、待ってもくれない

D-3280シリーズ開発の背景は?

じつは当社では、今回のD-3280シリーズの先駆となるモデルを、2004年にアメリカ市場に投入しました。しかし、そのときは、この製品の利便性が理解されず、売り上げは低迷。一度、全面撤退という苦い経験をしています。それから数年。この製品の利便性に着目した競合他社が同様の製品を相次いで発売し、気がつくと幅広いラインアップでシェアを急伸させていました。そこで、当社のお家芸である高機能電話の市場を他社に席捲させないために、短期決戦で開発に臨むことになったのです。

そのタイムリミットは?

2011年3月の販売開始。つまり、2011年1月には大量生産を開始しなければなりませんでした。今回の機種の開発は実質的に2010年4月からのスタートで、まさに綱渡り的な状況でした。

組み込みソフトウェアでの高いスキルが、最大の突破力

ところで、D-3280シリーズの機能の特徴は?

Bluetooth通信機能と呼ばれるものです。Bluetooth通信機能とは、簡単に言うと、携帯にかかってきた電話をコードレス電話の子機で受けられる機能。携帯電話を充電しておきたいときや、携帯電話の電波を受けにくい場所で通話するときに便利なわけです。

競合製品に対する機能の優位性は?

通常、親機に接続できる携帯電話は2台までですが、今回は4台まで接続できます。これを実現するために、ソフトウェアの開発には苦労しました。限られた性能のCPUで他社よりも多くの処理をこなさなければなりませんでした。また、D-3280シリーズは当社初のタッチキー搭載モデルでもあり、親機、子機とも薄型デザインの製品です。ここで、当社が誇る、基板・筐体の制約の中で最適な回路をコンパクトに性能を犠牲にすることなく設計する技術力が発揮され、高い付加価値と納期の両立という課題をクリアするのに大きな力となりました。

固定電話と携帯電話の共存に向けた新しい試みでもあります

実際の使われ方は?

たとえば、アメリカの場合、固定電話より携帯電話で通話する方が料金が安くなるというケースが数多くあります。このメリットを利用するために、回線は携帯のものを使いながらコードレス子機で話すというパターンが生まれています。こういった使用状況に対応するには、2台の携帯電話への対応では不十分。携帯電話4台に対応する機能が、ニーズとして顕在化していたわけです。

今度は、市場ニーズに合致?

はい。アメリカで携帯電話が普及し、その使い方が成熟したことが、高い付加価値を備えたBluetooth通信機能搭載モデルでの我々の再参入を可能にしたのだとも言えます。そして、それはもしかしたら、固定電話と携帯電話の共存のためのソリューションとして、当社が進むべき道に新しい可能性を切り拓くものであるかもしれません。いずれにしろ、市場が求める製品のタイムリーな供給と、そのための開発の迅速化が鍵を握ることに変わりはありません。

※Bluetooth:ブルートゥース
数mから数十m程度の距離の情報機器間で音声や簡易な情報のやりとりを行う無線通信技術。

木下 寛幸	(きのした ひろゆき )

PROFILE

木下 寛幸 (きのした ひろゆき ) ユニデンホールディングス株式会社 技術本部 課長
1994年入社

DECT方式コードレス電話としては第二世代にあたるD-3280シリーズの性能・機能・コストパフォーマンスをまとめあげ、2011年のユニデングループの市場シェアを押し上げ、売り上げを押し上げるミッションを担っています。